文学について

私とは、一体 何者なのか? 人はどこからきて、どこへいくのか?

幼少期より、死についてよく考えました。

 

父方は仏教徒

母方は敬虔なクリスチャンで

戦時中に7人の子を育てた無学の祖母の中に最も深い信仰をみました。

 

両親の家庭は無神論のモーツァルト狂

モーツァルト研究家・舞台芸術・仏文学者の父と

オペラ歌手の母の営む「モーツァルト劇場」が家業で

音楽に合わせて歌うこと、踊ることが好きでした。

 

父の研究のため、幼少期に家族でフランスに2年ほど暮らしました。

帰国後、日本の学校教育と現代社会の向かう方向に馴染めず、

疑問と息苦しさで、希望の進路も職業も見いだせませんでした。

 

物語が好きだったため、文学者の父の影響で、文学部に進み

卒論で当時好きだったチェコの亡命作家ミラン・クンデラの作家論に取り組んだところ

「知」に根幹を置く西欧文化の限界を感じて

憑きものが落ちたように文学と欧米文化への興味が減退しました。

 

仏文学ではなく、仏教哲学でも専攻していたなら

学生時代から「死」についての考察も深まっただろうと思うこともありますが

ヨーロッパ文化を向いた家庭に生まれたことで

ぐるりと遠回わりをして東洋思想に辿り着く過程で

東西比較文化的な視点を獲得しました。

 

橋渡しとして、大きな影響を受けたのは

ヘルマン・ヘッセ河合隼雄です。

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